よど号事件40年 「明日のジョー」はいま…(産経新聞)

 日航機「よど号」が世界同時革命を目指す赤軍派メンバーに乗っ取られ、北朝鮮に向かったハイジャック事件から、31日で40年を迎える。この間、日本人拉致に関与した容疑も浮上、北朝鮮に残るメンバー4人と日本人妻の帰国問題は今も焦点となっている。「われわれは明日のジョーである」と宣言したグループ9人は、真偽不明のケースも含めてすでに4人が死亡したとされ、4人が還暦を迎えた。時代を揺るがした事件を引き起こした彼らの今は−。

 「もう(運動は)やりません。疲れちゃってるんで…。本当に疲れちゃってるんですよ」。大阪の下町にあるマンション、短髪に黒いサングラス姿で顔をのぞかせた男性は、それだけ言うとドアを閉め、ガチャリと鍵をかけた。

 男性はグループ最年少の16歳でハイジャックに加わった柴田泰弘氏(56)。他人名義の旅券で日本に帰国し潜伏していたが、昭和63年に逮捕され実刑が確定、平成6年に刑期を終え、釈放された。

 関係者によると、釈放後は大阪・日本橋でパソコンショップを開いていた時期もあったが、すでに店をたたみグループやその家族らからも離れているという。

 事件では、グループ9人のうち8人が、日本の支援者も知らないまま北朝鮮で日本人妻と結婚、子供をもうけていた事実が平成4年になって判明し、衝撃を広げた。これまでに日本人妻子計24人がすでに帰国。北朝鮮に残るメンバー4人と日本人妻2人も帰国の意向を示している。

 しかし、拉致被害に関連し、捜査当局は魚本(旧姓・安部)公博容疑者(62)と日本人妻2人を国際手配。これに対し、グループは関与を全面否定する一方、昨年の政権交代を「転換点」ととらえ、4月にも鳩山政権に帰国交渉に応じるよう書簡を出す準備を進めている。

 メンバーたちは北朝鮮に渡って間もなく、赤軍派の主張を「間違いだった」と総括、北朝鮮の主体(チュチェ)思想に傾倒し、近年は日本人としての民族を意識した発言も目立っている。

 グループの機関紙などでは、今年に入って事件40年を意識したメッセージを相次いで打ち出した。魚本容疑者は、当時の心境は漫画家、小林よしのり氏の著作『戦争論』の内容に通じると打ち明け、「少数でも上からガツンとやって『平和ボケした日本人』の目を覚ますというような思想からハイジャックもやったのだと思う」と振り返った。

 平成7年に死去した田宮高麿代表の跡をついだとされる小西隆裕容疑者(65)は「革命が皆のものになり、皆が主体的になるとき、革命は勝利する。この素朴な真理が、自分だけが主体になったわれわれの組織の弱さを教えてくれた。あれから40年経った。私はもっと日本人民のすごさを感じられる人間になりたい」とグループのホームページでコメントしている。

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